この記事の監修者
【この記事の監修者】土地家屋調査士:寺岡孝幸の顔写真

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

合筆の読み方は、「ごうひつ」と読むのか、
それとも、「がっぴつ」と読むのか、
どちらかわからないという人も多いのではないでしょうか?

合筆は、「ごうひつ」でも「がっぴつ」でも、
どちらの読み方も正解ですが、
地域や人によって違いがあります。

そこで、合筆の登記申請業務を行っている土地家屋調査士が、
合筆の読み方について解説致します。

スポンサーリンク

この記事を閲覧することで、地域ごとの合筆の読み方の違いや、
「ごうひつ」なのか「がっぴつ」なのかがわかります。

合筆の読み方

合筆の読み方は、「ごうひつ」でも、
「がっぴつ」でも、どちらも正しいです。

ただし、「ごうひつ」と読むのが一般的な地域と、
「がっぴつ」と読むのが一般的な地域があります。

さらに、同じ地域でも、
人によって「ごうひつ」と読む人もいれば、
「がっぴつ」と読む人もいるのです。

合筆について地域ごとの読み方の違い

地域によって、合筆の読み方が違うとは、
一体どういうことかと思われるかもしれません。

私自身は、10年間以上、
合筆のことを「ごうひつ」と読んでいました。

合筆は、「ごうひつ」としか読まないと思っておりましたが、
あることがきっかけで、合筆のことを、
「がっぴつ」と読んでいる地域もあることがわかったのです。

そこで、合筆の読み方について、
主に合筆を扱う役所での独自聞き取り調査の結果、
地域ごとに下記のような違いがあることがわかりました。

北海道地方での合筆の読み方

  • 北海道(旭川)・・・主にがっぴつと読む
  • 北海道(釧路)・・・主にごうひつと読む
  • 北海道(札幌)・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 北海道(函館)・・・主にごうひつと読む

東北・北陸地方での合筆の読み方

  • 青森県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 秋田県・・・主にがっぴつと読む
  • 山形県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 岩手県・・・主にがっぴつと読む
  • 福島県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 宮城県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 新潟県・・・主にがっぴつと読む
  • 長野県・・・主にがっぴつと読む
  • 石川県・・・主にがっぴつと読む
  • 富山県・・・主にがっぴつと読む
  • 福井県・・・主にがっぴつと読む

関東地方での合筆の読み方

  • 茨城県・・・主にがっぴつと読む
  • 栃木県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 群馬県・・・主にごうひつと読む
  • 埼玉県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 千葉県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 東京都・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 神奈川県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む

中部・近畿地方での合筆の読み方

  • 山梨県・・・主にごうひつと読む
  • 静岡県・・・主にごうひつと読む
  • 岐阜県・・・主にがっぴつと読む
  • 愛知県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 三重県・・・主にごうひつと読む
  • 滋賀県・・・主にがっぴつと読む
  • 京都府・・・主にがっぴつと読む
  • 大阪府・・・主にがっぴつと読む
  • 奈良県・・・主にがっぴつと読む
  • 和歌山県・・・主にごうひつと読む
  • 兵庫県・・・主にがっぴつと読む

中国・四国地方での合筆の読み方

  • 岡山県・・・主にがっぴつと読む
  • 鳥取県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 島根県・・・主にがっぴつと読む
  • 広島県・・・主にがっぴつと読む
  • 山口県・・・主にがっぴつと読む
  • 香川県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 愛媛県・・・主にがっぴつと読む(がっぴつが主流)
  • 高知県・・・人によってごうひつ又はがっぴつと読む
  • 徳島県・・・主にがっぴつと読む(がっぴつが主流)

九州・沖縄地方での合筆の読み方

  • 福岡県・・・主にがっぴつと読む
  • 佐賀県・・・主にがっぴつと読む
  • 大分県・・・主にがっぴつと読む
  • 長崎県・・・主にがっぴつと読む
  • 熊本県・・・主にがっぴつと読む
  • 鹿児島県・・・主にがっぴつと読む
  • 宮崎県・・・主にがっぴつと読む
  • 沖縄県・・・主にがっぴつと読む

日本全国の合筆の読み方が一目でわかる日本地図

合筆の読み方を日本地図上で色分けすると、
下図のようになります。
※青色が主に「がっぴつ」、赤色が主に「ごうひつ」、
 緑色が「人によってごうひつ又はがっぴつ」と読む地域です。

地域ごとに違う合筆の読み方の分布図
(青:主にがっぴつ、赤:主にごうひつ、緑:がっぴつとごうひつ両方)

全体的な感じから言えば、
主に「がっぴつ」と読む地域が多いようです。

以上は、あくまで独自の調査であって、絶対ではなく、
合筆の読み方としては、「ごうひつ」でも「がっぴつ」でも、
どちらも正解であることに変わりありません。

なお、分筆と合筆を同時に行う分合筆という登記もあり、
分合筆の読み方については、「分合筆の読み方」を参照下さい。

スポンサーリンク

合筆の読み方はごうひつ?がっぴつ?結局どっち?

合筆の読み方は、地域によっても違いますが、
同じ地域の人でも、「ごうひつ」と読む人もいれば、
「がっぴつ」と読む人もいます。

(人によっても読み方が違う)

なぜなら、最初に合筆について知った時に、
誰から教わったのか、どの書籍から知ったのかによって、
人によって合筆の読み方に違いがあるからです。

「ごうひつ」と言っている人から合筆について教われば、
合筆の読み方は、自然と「ごうひつ」になります。

逆に、「がっぴつ」と言っている人から合筆について教われば、
合筆の読み方は、「がっぴつ」が普通と思うことでしょう。

また、合筆について書かれた書籍では、一般的に、
合筆の読み方として、合筆(がっぴつ/ごうひつ)や、
合筆(「ごうひつ」又は「がっぴつ」)と両方記載しています。

(書籍では、「がっぴつ/ごうひつ」の両方が記載されている)

そのため、書籍から合筆のことを知った人は、
「がっぴつ」でも「ごうひつ」でも、
その人が読みやすい方を選んでいるのです。

つまり、合筆の読み方としては、「ごうひつ」でも、
「がっぴつ」でも、どっちが良い悪いということはなく、
まず2通りの読み方があることを理解することが大事です。

その上で、「ごうひつ」、「がっぴつ」の内、
あなたが読みやすい方・言いやすい方を選択すると良いのです。

ただし、合筆について人と話をする際には、
こちらが「ごうひつ」と言っても、
「がっぴつ」で理解している人には通じないこともあります。

そういったことから、合筆について人と話をする際には、
2通りの読み方があることをあなたが理解した上で、
相手の人が理解している読み方に合わせると、話がスムーズになります。

なお、分筆と合筆を同時に行う分合筆という登記もあり、
分合筆の読み方については、「分合筆の読み方」をご確認下さい。

スポンサーリンク

合筆の読み方のまとめ

① 合筆の読み方は?
 ⇒「がっぴつ」でも「ごうひつ」でも両方正解。
② 合筆の読み方に違いはある?
 ⇒地域ごとに違いがあり、人によっても違いがある。
③ 結局、がっぴつ、ごうひつ、どっち?
 ⇒2通りの読み方があることを理解した上で、
  あなたが読みやすい方・言いやすい方で良いです。
④ 合筆について人と話をする際の合筆の読み方は?
 ⇒「ごうひつ」又は「がっぴつ」の内、
  相手が理解している読み方に合わせると良いです。