最新更新日付 2022年11月1日

この記事の監修者
【この記事の監修者】土地家屋調査士:寺岡孝幸の顔写真

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来20年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

合筆(ごうひつ又はがっぴつ)とは、
隣接している数筆の土地を合併して、
一筆の土地にまとめることです。

土地は筆(ひつ)単位で区画されていて、
一筆(いっぴつ)、二筆(にひつ)・・・と数えますので、
筆(ひつ)を合併するという意味で、合筆と言うのです。

ただ、この説明だけでは、合筆とは具体的にどうすることかや、
合筆登記とは何か、合筆登記をすると土地はどうなるのか、
どんな土地でも合筆できるのかがわかりません。

そこで、合筆登記の申請業務を行っている土地家屋調査士が、
それぞれ具体的にわかりやすく解説いたします。

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この記事を閲覧することで、合筆とは何か、合筆登記とは何か、
合筆できないケースが、それぞれ具体的にわかります。

合筆とは?合筆の具体例

合筆とは、隣接する数筆の土地を合併し、
区画を変更して、一筆の土地にすることです。

合筆の具体例(隣接している土地を合筆する例)

次の例は、隣接している土地を合筆する例です。

隣接する土地を合併して、一筆の土地にする合筆例
(隣接する土地を合併して、一筆の土地にする合筆例)

このように、1番と2番の土地を合筆すると、
合筆前に接していた筆界線(境界線とも言う)は無くなり、
区画が変更されて、全体で一筆の土地になります。

合筆の具体例(離れていても合筆が可能な例)

次の例は、隣接する三筆以上の土地を合筆して、
一筆の土地にする例です。

隣接する数筆の土地を合併して、一筆の土地にする合筆例
(隣接する数筆の土地を合併して、一筆の土地にする合筆例)

この場合、1番と3番の土地は離れていますが、
1番の土地も3番の土地も、
合筆する2番の土地と接しているので、合筆できるわけです。

つまり、合筆とは、隣接している土地同士や、
合筆する土地を通して接する数筆の土地を合併して、
一筆の土地にすることなのです。

筆界点1点だけで接していても合筆できない?!

土地を合筆するには、筆界線で接している必要があり、
筆界点1点だけでしか接していない土地同士の合筆は、
できないことに注意が必要です。

たとえば、次の1番と4番の土地のように、
筆界点1点だけで接している土地同士のみでは、
合筆することはできないということです。

次の2番と3番の土地も、
筆界点1点だけでしか接していないので、
2番と3番の土地のみを合筆といったことはできません。

しかし、次のように筆界線で接する土地を含んだ場合、
合筆することが可能となります。

(1~4番の土地すべてを合筆する例)
(1~3番の土地のみを合筆する例)
(2~4番の土地のみを合筆する例)

どの土地とどの土地を合筆するかは、
その土地の表題部所有者、または、
所有権の登記名義人が自由に決めることができます。

合筆登記とは?合筆登記をすると土地はどうなる?

合筆登記(ごうひつとうき又はがっぴつとうき)とは、
数筆の土地を合筆するために行う登記のことです。

合筆登記は、合筆する土地の表題部所有者か、
所有権の登記名義人が、管轄法務局に合筆の登記申請を行い、
その内容をもとに、法務局の登記官が合筆の登記を行います。

この合筆の登記が法務局で行われることによって、
土地の合筆ができるのです。

ただ、合筆登記をするためには、口頭ではなく、
合筆の登記申請書や添付書類などのいくつかの必要書類を、
管轄法務局に提出する必要があります。

合筆の登記申請書や必要書類が具体的にどういった書類かは、
合筆の登記申請書の様式(書式)と書き方」や、
合筆登記の必要書類を徹底解説!」をご確認下さい。

合筆登記をすると土地の登記関係はどうなる?

合筆登記をすると、合筆前の土地の内、
一筆の土地の登記簿を残して、
その登記簿に合筆の登記を記録します。

そして、残りの土地の登記簿は、すべて閉鎖されるのです。

たとえば、次のような1番~3番の土地を合筆登記した場合、
実際の土地の状況は、区画全体で一筆(1番)の土地になります。

合筆前後の実際の土地の状況
(合筆前後の実際の土地の状況)

この場合、土地の登記関係については、
次のように1番の土地の登記簿を残して、
残りの土地(2番と3番)の登記簿は閉鎖されるということです。

合筆前後の土地の登記関係の状況
(合筆前後の土地の登記関係の状況)

また、合筆後に残る地番(1番)の登記簿の表題部には、
次の赤枠内のように記録されます。

合筆後に残る地番の登記簿表題部の具体例
(合筆後に残る地番の登記簿表題部の具体例)

合筆によって地積(面積)が変わるため、
上図のように合筆前の地積(100.00)を下線で抹消して、
その下に合筆後の地積(300.00)が記録されます。

そして、原因及びその日付欄には、
「③〇番を合筆」または「③〇番、〇番を合筆」と記録され、
その下の[ ]内に登記の日付が記録されるのです。

また、合筆後に残る地番(1番)の登記簿に、
権利部甲区や権利部乙区があれば、
合筆についての内容がそれぞれ記録されます。

具体的には、権利部甲区には新しい順位番号で、
次のように「合併による所有権登記」と記録されます。

合筆後に残る地番の登記簿の権利部甲区の具体例
(合筆後に残る地番の登記簿の権利部甲区の具体例)

そして、権利部乙区がある場合、
抵当権が合筆後の土地全体に及ぶ旨の付記登記が、
職権で行われます。

具体的には、次のように、
「〇番登記は合併後の土地の全部に関する」という記録と、
合筆登記の完了日に付記登記したことが記録されるのです。

合筆後に残る地番の登記簿の権利部乙区の具体例
(合筆後に残る地番の登記簿の権利部乙区の具体例)

逆に、合筆後に閉鎖される土地の登記簿の表題部には、
次のように、所在・地番・地目・地積を下線で抹消し、
原因及びその日付欄には、「〇番に合筆」と、
登記の日付と同日閉鎖されたことが記録されるのです。

合筆後に閉鎖される土地の登記簿表題部の例
(合筆後に閉鎖される土地の登記簿表題部の例)

閉鎖された地番は、以後、使用されることはありません。

また、合筆登記の完了時に、
合筆して残る地番(上記例では1番)の土地について、
登記申請人に新たな登記識別情報が通知されます。

登記識別情報通知は、合筆後の権利証とも言える情報なので、
合筆後の土地の所有者が大事に管理する必要があります。

登記識別情報通知がどういった書面なのかは、
登記識別情報通知の見本」をご確認ください。

合筆登記をすると土地の地番はどうなる?

合筆すると土地の地番は、原則、首位の地番になり、
残りの地番はすべて抹消されます。

首位の地番とは、一番若い地番のことです。

たとえば、合筆前の地番が1番、2番、3番なら、
合筆後の地番は、一番若い1番になります。

もし、合筆前の地番が12番、21番、56番なら、
合筆後の地番は、一番若い12番になるということです。

合筆前の土地の地番に枝番が付いている場合も同じで、
合筆前の土地の地番が、5番1、5番6、7番、8番2なら、
合筆後の地番は、一番若い5番1になるということです。

なお、合筆後の土地の地番については、
一番若い地番以外の地番にもできる特別な事情も含めて、
合筆後の地番はどうなる?特別な事情も解説!」で、
さらにくわしく解説しています。

合筆登記をすると土地の地積(面積)はどうなる?

合筆すると、合筆する前の全ての土地の面積が合算されます。

たとえば、合筆前の土地の地番と面積が、
1番(100㎡)・2番(100㎡)・3番(100㎡)の場合、
合筆前の土地の面積を全て足して300㎡になるということです。

ただし、土地の面積の足し方は、
土地に地積測量図がある場合と無い場合とで違いがあり、
登記申請書に合筆後の面積を記入する際にも決まりがあります。

土地の面積の足し方や、
登記申請書に合筆後の面積を記入する際の注意点については、
合筆後の土地の地積(面積)はどうなる?」を参照下さい。

合筆登記をすると土地の筆界線はどうなる?

合筆する土地同士が接している筆界線(境界線とも言う)は、
すべて抹消されて、
合筆後の土地の周囲が筆界線となります。

たとえば、次のような1番と2番の土地を合筆した場合、
1番と2番の土地が接している筆界線は抹消されます。

次のような四筆の土地を合筆した場合も、
合筆する土地同士が接している筆界線は全て抹消されて、
合筆後の土地の周囲が筆界線になるのです。

合筆できないケースは?

合筆は、どんな土地同士でもできるわけではありません。

なぜなら、土地の合筆には制限とも言える6つの条件があり、
次の6つの条件の全てをクリアーしている土地同士でないと、
合筆できないからです。

  1. 土地が隣接していること。
  2. 土地の地目(ちもく)と地番区域が同じであること。
  3. 登記されている所有者の住所と氏名が全く同じであること。
  4. 共有の土地の場合は、共有者の持分が全く同じであること。
  5. 所有権の登記がされていない土地同士か、
    所有権の登記がされている土地同士であること。
  6. 所有権の登記以外の権利に関する登記がされていないこと。
    ただし、抵当権などの登記がされている場合、登記の目的、
    登記原因、登記の日付、受付番号がすべて同じであるなど、
    特例の場合は合筆可能。

つまり、上記1~6の条件を1つでも満たしていなければ、
合筆できないということです。

これら6つの合筆の条件(合筆できない土地)については、
合筆の条件(合筆制限)は?合筆できない土地」で、
具体的にくわしく解説しています。

なお、合筆の制限の特例によって合筆できる場合については、
合筆の制限の特例とは?」を参照ください。

抵当権付きの土地の合筆については、
抵当権付きでも合筆可能?抵当権者の承諾は?」をご確認下さい。

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