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【この記事の監修者】土地家屋調査士:寺岡孝幸の顔写真

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
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合筆登記で法務局に提出する印鑑証明書は、
原本還付できません。

合筆登記で法務局に提出した印鑑証明書の原本は、
法務局から戻してもらうことができないということです。

このことは、不動産登記規則第55条で、
次のように明記されています。

不動産登記規則第五十五条(添付書面の原本の還付請求)書面申請をした申請人は、申請書の添付書面(磁気ディスクを除く。)の原本の還付を請求することができる。

ただし、令第十六条第二項、第十八条第二項若しくは第十九条第二項又はこの省令第四十八条第三号(第五十条第二項において準用する場合を含む。)若しくは第四十九条第二項第三号の印鑑に関する証明書及び当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については、この限りでない。

引用元: e-Gov法令検索.「不動産登記規則 」. (参照 2022-07-30)

上記条文中の令第十六条第二項(不動産登記令第16条)には、
合筆登記で必要な印鑑証明書について明記されています。

そして、上記条文では、登記の申請人は、原則、
申請書の添付書面の原本還付を請求できるとされています。

ただし、合筆登記で必要な印鑑証明書については、
この限りではないということです。

この限りではないというのは、
原本還付を請求できないという意味になります。

そのため、合筆登記で印鑑証明書を提出する際には、
その印鑑証明書は法務局から戻ってこないことを、
理解しておく必要があります。

所有権の登記のある土地の合筆登記では、
申請人の印鑑証明書の原本1通を、
法務局に提出しなければなりません。

土地が共有で、申請人が複数の場合は、
共有者全員の印鑑証明書の原本を、
各自1通ずつ提出することになります。

もし、法務局の管轄が異なる土地を、
2ヶ所以上合筆したい場合には、
それぞれの法務局で印鑑証明書が必要になります。

その際、それぞれの法務局では、
提出した印鑑証明書の原本を戻してもらえません。

そのため、合筆登記を申請する法務局の数だけ、
印鑑証明書の原本が必要になるということです。

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