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【この記事の監修者】土地家屋調査士:寺岡孝幸の顔写真

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来21年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

合筆登記では、印鑑証明書が常に必要というわけではなく、
印鑑証明書が必要な場合と、不要な場合があります。

印鑑証明書が必要な場合には、誰の印鑑証明書が必要で、
作成後何か月以内の印鑑証明書が必要という期限まで、
不動産登記令第16条で定められています。

そこで、合筆登記の申請業務を行っている土地家屋調査士が、
合筆登記で印鑑証明書が必要な場合と不要な場合について、
くわしく解説いたします。

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合筆登記で印鑑証明書が必要な場合とは?

合筆登記で印鑑証明書が必要な場合とは、
所有権の登記がある土地の場合です。

所有権の登記がある土地というのは、
土地の登記情報(登記簿)が、次のような表題部だけでなく、
権利部の記載もある土地のことです。

また、土地の登記済権利証 または 登記識別情報があれば、
所有権の登記がある土地と判断することもできます。

この場合、土地の所有権の登記名義人が申請人となり、
合筆登記の申請書に記名押印して、
印鑑証明書を添付しなければなりません。

もし、委任による代理人から合筆登記を申請する場合には、
所有権の登記名義人が委任状に記名押印した上で、
印鑑証明書を添付することになります。

つまり、合筆登記の申請を代理人に委任する場合でも、
代理人の印鑑証明書ではなく、
土地の所有権の登記名義人の印鑑証明書が必要ということです。

そして、いずれの印鑑証明書も、
所有権の登記名義人の住所地の市町村長又は区長が作成し、
作成後3ヶ月以内の原本が必要になります。

そのため、発行日より3ヶ月以上経過している印鑑証明書は、
使えないので、期限内の別の印鑑証明書を用意するか、
再取得することになるのです。

このことは、不動産登記令第16条1項~3項で、
次のように明記されています。

不動産登記令第十六条 申請人又はその代表者若しくは代理人は、法務省令で定める場合を除き、申請情報を記載した書面に記名押印しなければならない。

 前項の場合において、申請情報を記載した書面には、法務省令で定める場合を除き、同項の規定により記名押印した者(委任による代理人を除く。)の印鑑に関する証明書(住所地の市町村長(特別区の区長を含むものとし、地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、市長又は区長若しくは総合区長とする。次条第一項において同じ。)又は登記官が作成するものに限る。以下同じ。)を添付しなければならない。

 前項の印鑑に関する証明書は、作成後三月以内のものでなければならない。

引用元: e-Gov法令検索.「不動産登記令 」. (参照 2022-07-29)

なお、所有権の登記名義人が複数名いる共有の場合には、
共有者全員の作成後3ヶ月以内の印鑑証明書が必要です。

たとえば、所有権の登記名義人が、Aさん(持分4分の2)、
Bさん(持分4分の1)、Cさん(持分4分の1)で共有の場合、
Aさん・Bさん・Cさん全員の印鑑証明書が必要ということです。

持分割合が均等であっても、不均等であっても、
共有であれば持分割合に関係なく、
共有者全員の印鑑証明書が必要になります。

また、所有権の登記名義人が法人の場合には、
その法人の代表者の印鑑証明書が必要になります。

ただし、法人の代表者の印鑑証明書については、
合筆の登記申請書への記載要件が整えば、
省略することも可能です。

合筆登記で印鑑証明書が省略できる場合や、
合筆の登記申請書への記載要件と記載例については、
合筆登記で印鑑証明書は省略できる?」をご確認下さい。

合筆登記で印鑑証明書の原本還付については、
合筆登記で印鑑証明書は原本還付できる?」を参照下さい。

印鑑証明書など合筆登記に必要な書類については、
合筆登記の必要書類を徹底解説!」で、
くわしく解説しています。

合筆登記で印鑑証明書が不要な場合とは?

合筆登記で印鑑証明書が不要な場合とは、
所有権の登記がない土地の場合です。

所有権の登記がない土地というのは、
土地の登記情報(登記簿)が、次のような表題部だけで、
権利部がない土地のことです。

(登記情報の表題部に所有者の記載がある例)

このような表題部だけの場合には、
表題部の最後に所有者の住所・氏名の記載があり、
表題部所有者(ひょうだいぶしょゆうしゃ)と呼ばれています。

【参照】表題部所有者とは?

所有権の登記がない土地と判断できれば、
それらの土地の合筆登記の申請には、
誰の印鑑証明書も必要ありません。

また、所有権の登記の有り無しを確認するには、
土地の登記済権利証、または、
登記識別情報通知の有無で確認することもできます。

なぜなら、土地の登記済権利証 または 登記識別情報もなく、
紛失したということもなければ、
所有権の登記がない土地と判断できるからです。

登記済権利証や登記識別情報通知がどういった書類かは、
登記済権利証の見本」や「登記識別情報通知の見本」をご確認下さい。

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