この記事の監修者
【この記事の監修者】土地家屋調査士:寺岡孝幸の顔写真

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来20年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

合筆登記の申請を代理人が行う場合には、
申請人全員からの委任状が必要になります。

ただ、申請人が1名の場合と共有の場合、
申請人が法人の場合、合筆前の土地の数や、
委任する範囲によって、委任状の内容が違ってきます。

もし、委任状に記載すべき内容に不足があれば、
あとで困ることになってしまいます。

そこで、土地の合筆登記の委任状について、
合筆登記の申請業務を行っている土地家屋調査士が、
具体的にわかりやすく解説致します。
ケースごとの委任状のダウンロードも可能です。

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この記事を閲覧することで、合筆登記の委任状について、
どういった場合に、どんな委任状が必要かすべてわかります。

合筆登記の委任状の例と作成方法

下図1は、合筆登記の委任状の例です。

合筆登記の委任状の例
(図1:合筆登記の委任状の例)

この例は、法務局が合筆登記の委任状の例としている様式で、
個人から土地家屋調査士への委任はもちろん、
個人から個人への委任にも使用できるものです。

合筆登記の委任状は、上図1の例を参考(基本)にして、
申請内容に応じて作成することになります。

通常、A4サイズの用紙を縦にして作成します。

パソコンですべて作成しても良いですし、
すべて手書きで作成してもかまいません。

ただ、委任状には、次の1~7の内容の記載が必要です。

  1. 誰が誰に委任するのかわかる一文
  2. 委任する内容(範囲)
  3. 委任した年月日
  4. 委任者の住所、氏名、実印の押印
  5. 委任する登記の目的
  6. 不動産の所有者の住所、氏名
  7. 不動産の表示

実際の委任状で言えば、
下図2のそれぞれの赤枠部分のことです。

合筆登記の委任状に記載する内容
(図2:合筆登記の委任状に記載する内容)

上図2の1~7のそれぞれの内容について、
1つ1つ順番に解説致します。

1.誰が誰に委任するのかわかる一文

誰が誰に委任するのかわかる一文は、
下図3のように記載します。

(図3)

上図3の〇〇市〇〇町〇番〇号 〇〇〇〇の部分には、
受任者(委任される人)の住所と氏名を記載します。

個人であれば、個人の住所と氏名を記載し、
資格者代理人の土地家屋調査士であれば、
事務所の住所と氏名を記載するのです。

2.委任する内容(範囲)

合筆登記に関するすべてを委任する場合、
委任する内容(範囲)は、下記の1~5の内容になります。

土地家屋調査士などの資格者代理人に委任する場合は、
通常、この1~5の内容をそのまま記載します。

しかし、1~5の内容すべての委任ではなく、
一部の内容だけを委任したい、
といった場合もあることでしょう。

その場合は、状況に応じて、
1の「登記申請書類を管轄登記所に提出すること」だけや、
2の「登記識別情報と完了証を受領すること」だけを、
委任内容として記載することもできます。

つまり、委任する内容(範囲)については、
委任者(委任する人)が自由に決めて記載できるということです。

3.委任する年月日

実際に委任する年月日を記載します。
通常、委任状に押印した日になります。

委任する年月日で注意すべきことは、
委任内容を実行する年月日か、
それよりも前の年月日にすることです。

4.委任者の住所、氏名、実印

委任者が1人(登記名義人が1人)の場合は、
下図4のように記載します。

(図4)

もし、委任者が数人(登記名義人が共有)の場合は、
下図5のように下に連ねて記載し、
それぞれの持分の記載は必要ありません。

(図5)

住所と氏名は、委任者の住民票の住所と氏名を記入します。

もし、所有権の登記のある土地の合筆の場合は、
印鑑証明書が必要書類となるので、
その印鑑証明書の住所と氏名と同じでなければなりません。

そして、実印の所には、
印鑑証明書と同じ印鑑(実印)で鮮明に押印します。

印影が薄かったり、印影の一部が欠けていると、
法務局に提出後、補正等になってしまう可能性があるからです。

もし、印影が薄かったり、印影の一部が欠けた場合には、
その印影の右横の余白に、
再度、鮮明に押印しておくと良いでしょう。

なお、委任者の住所と氏名については、
自署でも良いですし、すべて印字でもかまいません。

また、委任者が会社などの法人の場合は、
下図6のように記載します。

(図6)

住所と氏名の所には、法人の住所と会社名、
代表者名を記載し、所有権の登記のある土地の合筆なら、
会社の実印を押印します。

5.委任する登記の目的

登記の目的は、「合筆」と記載します。

ただ、「合筆登記」と記載してもかまいません。

6.不動産の所有者の住所と氏名

不動産の所有者の住所、氏名は、
下記のように記載しますが、
この箇所に押印は必要ありません。

もし、所有者が2名以上の共有の場合には、
下に連ねて全員の住所と氏名を記載します。

共有者の持分の記載は、必要ありません。

もし、所有者が法人の場合には、
法人の住所、会社名、代表者名(代表取締役)を記載します。

7.不動産の表示

委任状には、合筆登記の申請内容までわかるように、
登記申請書の不動産の表示と同じ内容を、
下図7のように記載します。

(図7)

以前までは、不動産の表示として、
不動産の所在と地番だけ記載していました。

しかし、現在では、不動産の所在と地番だけでなく、
委任する合筆登記の申請内容まで明確にするため、
登記申請書の不動産の表示と同じ書式になっています。

なお、合筆の登記申請書については、
合筆登記の申請書の様式(書式)と書き方」で、
くわしく解説しています。

合筆登記の必要書類については、
合筆登記の必要書類を徹底解説!」を参照ください。

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合筆登記の委任状には自署が必要?

合筆登記の委任状には、代理人の住所・氏名と、
合筆前の土地の表題部所有者の住所・氏名、または、
所有権の登記名義人の住所・氏名の記載が必要です。

そこで、それぞれの住所・氏名の記入については、
本人の自署が必要かどうか、迷う人もいらっしゃいます。

結論としては、本人が自署しても良いですし、
すべて記名(すべて印字)でもかまいません。

ただ、いずれの場合でも、委任者の押印は必要です。

合筆登記の委任状には実印の押印が必要?

合筆登記の委任状に実印の押印が必要かどうかは、
所有権の登記のある土地の合筆か、
所有権の登記のない土地の合筆かで異なります。

所有権の登記のある土地の合筆の場合、
委任状には、所有権の登記名義人の住所・氏名を記入して、
印鑑登録と同じ実印を押す必要があります。

そして、住所と氏名は、
その人の印鑑証明書の住所・氏名と同じでなければなりません。

実印の押印については、
印影が薄かったり、欠けたりしないように、
鮮明に押印する必要があります。

なぜ、実印の押印が必要なのかと言えば、
所有権の登記のある土地の合筆には、
申請人の印鑑証明書が必要書類の1つとなっているからです。

そして、土地所有者が本人申請する場合は、
登記申請書に申請人として実印を押印します。

しかし、代理人が申請する場合には、
登記申請書に申請人の実印を押印する代わりに、
委任状に申請人の実印を押印することになるからです。

そういった理由からも、
土地が共有(複数人)の場合には、
共有者全員の実印を、委任状に押印する必要があるのです。

申請人の印鑑証明書など合筆登記に必要な書類については、
合筆登記の必要書類を徹底解説!」を参照下さい。

次に、所有権の登記のない土地の合筆の場合、
合筆登記の委任状には、表題部所有者の住所・氏名を記入して、
印鑑を押すことになります。

その際の印鑑は認印でもかまいませんが、
実印を押していれば間違いありません。

合筆登記の委任状の書式とダウンロード

合筆登記の委任状の書式や書き方はわかったけど、
ケースごとに自分で一から委任状を作成するのは大変、
という方も多いのではないでしょうか?

そこで、合筆登記の委任状の書式を、
ケースごとにダウンロードできるようにしていますので、
ダウンロード後、文字や数値を自由に変更してお使い下さい。

土地所有者が1名の場合

土地の所有者が1名の場合の委任状の例
(図8:土地の所有者が1名の場合の委任状の例)

下記の黄色のボックス内から、この委任状の書式を、
エクセル 又は PDFでダウンロードできます。
ご自由にお使いください。

土地所有者が1名の場合で、合筆前の土地が1~6筆まで対応

土地所有者が2名の場合

土地所有者が2名以上の場合、下図9のように、
所有者全員の住所、氏名、押印が必要ですが、
それぞれの所有者の持分の記載は特に必要ありません。

土地の所有者が2名の場合の委任状の例
(図9:土地の所有者が2名の場合の委任状の例)

下記の黄色のボックス内から、この委任状の書式を、
エクセル 又は PDFでダウンロードできます。
ご自由にお使いください。

土地の所有者が法人の場合

土地の所有者が法人の場合は、下図10のように、
法人の住所、会社名、代表者名を記入して、
登録されている会社の実印を押す必要があります。

土地の所有者が法人の場合の委任状の例
(図10:土地の所有者が法人の場合の委任状の例)

下記の黄色のボックス内から、この委任状の書式を、
エクセル 又は PDFでダウンロードできます。
ご自由にお使いください。

合筆登記の委任状はいつ提出すれば良い?

登記申請に関する一切の権限を委任する場合は、
通常、合筆登記に必要な申請書類と一緒に、
管轄法務局に提出します。

しかし、登記完了後の登記識別情報通知の受領や、
登記完了証の受領のみを、他の共有者から委任される場合には、
受領する時までに委任状を提出してもかまいません。

また、登記申請の取り下げ、又は、補正のみを、
他の共有者から委任される場合は、
法務局で登記申請を取り下げたり、補正をする時までに、
委任状を提出してもかまいません。

なお、委任状は、代理人が合筆登記を申請する場合や、
共有者などから委任事項がある場合に必要な書類となります。

合筆登記の必要書類については、
合筆登記の必要書類を徹底解説!」を参照下さい。

合筆登記の申請書の様式や書き方については、
合筆の登記申請書の様式(書式)と書き方」で、
くわしく解説しています。

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