土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。
経歴:開業以来21年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
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地目の種類は、不動産登記規則99条で、
次の全23種類が定められています。
不動産登記規則第九十九条 地目は、土地の主な用途により、田、畑、宅地、学校用地、鉄道用地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園及び雑種地に区分して定めるものとする。
引用元: e-Gov法令検索.「不動産登記規則 」. (参照 2022-07-24)
ただ、これだけでは、具体的にどういった土地が、
何の地目になるのか判断に困ることもあります。
そこで、登記申請業務を行っている土地家屋調査士が、
全23種類の地目とそれぞれの具体例についてと、
地目の種類を判断する際の注意点を解説いたします。
この記事を閲覧すれば、全23種類の地目が具体的にわかり、
ある程度は、地目の種類を自分で判断できるようになります。
なお、この記事の内容は、下記の動画でも無料で何度でもご視聴いただけます。
全23種類の地目の一覧
全23種類の地目一覧 | 各地目についての法律上の定義 |
田(た) | 農耕地で用水によって耕作する土地 |
畑(たはけ) | 農耕地で用水を利用しないで耕作する土地 |
宅地(たくち) | 建物の敷地 及び その維持や効用に必要な土地 |
学校用地(がっこうようち) | 校舎や付属施設の敷地と運動場 |
鉄道用地(てつどうようち) | 駅舎や附属施設および線路の敷地 |
塩田(えんでん) | 海水を引き入れて塩を採取する土地 |
鉱泉地(こうせんち) | 鉱泉の湧き出口及びその維持に必要な土地 |
池沼(ちしょう) | かんがい用ではない水の貯留池 |
山林(さんりん) | 耕作ではない竹木の生育する土地 |
牧場(ぼくじょう) | 牛や馬などの家畜を放牧する土地 |
原野(げんや) | 耕作ではない草木の生育する土地 |
墓地(ぼち) | 人の遺骨を埋葬する土地 |
境内地(けいだいち) | 境内に属する土地で、 宗教法人法第3条の第2号 及び 第3号に掲げる土地 |
運河用地(うんがようち) | 運河法第12条第1項第1号 又は第2号に掲げる土地 |
水道用地(すいどうようち) | 水道のための水源地、貯水地、 ろ水場、水道線路に要する土地 |
用悪水路(ようあくすいろ) | かんがい用 又は 悪水の排泄用の水路 |
ため池(ためいけ) | 耕地かんがい用の用水の貯留池 |
堤(つつみ) | 防水を目的として作られた堤防 |
井溝(せいこう) | 田畑 または 村落の間にある通水路 |
保安林(ほあんりん) | 森林法で農林水産大臣が、 保安林として指定した土地 |
公衆用道路(こうしゅうようどうろ) | 一般交通に利用されている道路 |
公園(こうえん) | 公衆の遊楽に利用されている土地 |
雑種地(ざっしゅち) | 上記22種類の地目のどれにも該当しない土地 |
全23種類の地目の具体例
1:地目が田(た)の具体例
このように、用水を利用している農耕地の場合、
土地の地目の種類は、「田」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
2:地目が畑(はたけ)の具体例
このように、用水を利用していない農耕地の場合、
土地の地目の種類は、「畑」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
3:地目が宅地(たくち)の具体例
このように、建物の敷地や、
建物の利用に必要な庭および駐車場などの場合、
土地の地目の種類は、「宅地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
4:地目が学校用地(がっこうようち)の具体例
このように、学校の校舎の敷地や、
附属施設としての体育館・運動場などの場合、
土地の地目の種類は、「学校用地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
5:地目が鉄道用地(てつどうようち)の具体例
このように、鉄道の駅舎や附属施設の敷地、線路敷地の場合、
土地の地目の種類は、「鉄道用地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
6:地目が塩田(えんでん)の具体例
このように、海水を引き入れて塩を採取する土地の場合、
土地の地目の種類は、「塩田」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
7:地目が鉱泉地(こうせんち)の具体例
このように、鉱泉(温泉)の湧き出口や、
その維持に必要な土地の場合、
土地の地目の種類は、「鉱泉地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
8:地目が池沼(ちしょう)の具体例
このように、かんがい用水ではない水の貯留池の場合、
土地の地目の種類は、「池沼」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
9:地目が山林(さんりん)の具体例
このように、耕作ではない竹木の生育する土地の場合、
土地の地目の種類は、「山林」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
10:地目が牧場(ぼくじょう)の具体例
このように、牛など家畜を放牧する土地の場合、
土地の地目の種類は、「牧場」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
11:地目が原野(げんや)の具体例
このように、耕作ではない草木の生育する土地の場合、
土地の地目の種類は、「原野」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
12:地目が墓地(ぼち)の具体例
このように、人の遺骨を埋葬する土地の場合、
土地の地目の種類は、「墓地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
13:地目が境内地(けいだいち)の具体例
このように、境内に属する土地で、
宗教法人法第3条第2号及び第3号に掲げる土地の場合、
土地の地目の種類は、「境内地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
14:地目が運河用地(うんがようち)の具体例
運河法第12条第1項第1号又は第2号に掲げる土地の場合、
土地の地目の種類は、「運河用地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
15:地目が水道用地(すいどうようち)の具体例
このように、水道のための水源地、貯水池、ろ水場、
水道線路に要する土地の場合、
土地の地目の種類は、「水道用地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
16:地目が用悪水路(ようあくすいろ)の具体例
このように、かんがい用 または 悪水の排泄用の水路の場合、
土地の地目の種類は、「用悪水路」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
17:地目がため池(ためいけ)の具体例
このように、耕地かんがい用の用水の貯留池の場合、
土地の地目の種類は、「ため池」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
18:地目が堤(つつみ)の具体例
このように、防水を目的として作られた堤防の場合、
土地の地目の種類は、「堤」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
19:地目が井溝(せいこう)の具体例
このように、田畑 または 村落の間にある通水路の場合、
土地の地目の種類は、「井溝」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
20:地目が保安林(ほあんりん)の具体例
森林法で農林水産大臣が保安林として指定した土地の場合、
土地の地目の種類は、「保安林」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
21:地目が公衆用道路(こうしゅうようどうろ)の具体例
このように、一般交通に利用されている道路の場合、
土地の地目の種類は、「公衆用道路」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
22:地目が公園(こうえん)の具体例
このように、公衆の遊楽に利用されている土地の場合、
土地の地目の種類は、「公園」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
23:地目が雑種地(ざっしゅち)の具体例
「雑種地」以外の22種類の地目のどれにも該当しない土地、
たとえば、上記のような駐車場、資材置き場等の土地の場合、
土地の地目の種類は、「雑種地」です。
なお、地目とは何かや、地目の調べ方については、
「地目(ちもく)とは?」「地目の調べ方」で、
くわしく解説しています。
地目の種類を判断する際の注意点
地目の種類を判断する際に注意すべきことは、次の2点です。
- 23種類の地目以外は認められないこと。
- 一筆の土地に2種類以上の地目は認められないこと。
23種類の地目以外は認められない。
土地の地目は、23種類のいずれかで定める必要があり、
23種類以外で定めることは認められていません。
もし、土地の主な用途から判断して、
具体的にどれにも該当しない場合、
地目は「雑種地」で定めることになります。
一筆の土地に2種類以上の地目は認められない。
一筆の土地の利用状況を細かく見た場合、
2種類以上の利用状況が確認されることも多々あります。
しかし、そのような場合でも、
一筆の土地全体の主な利用状況から判断して、
地目を1種類で定める必要があるのです。
ただ、地目とは何か、登記地目と現況地目と課税地目の違いや、
地目はどうやって調べるのかを先に知っている必要があるため、
「地目(ちもく)とは?」でくわしく解説しています。
登記地目、現況地目、課税地目のそれぞれの調べ方については、
「地目の調べ方」を参照ください。