この記事の監修者
【この記事の監修者】土地家屋調査士:寺岡孝幸の顔写真

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来20年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

合筆後の地番は、自由に決められるわけではなく、
原則、合筆前の首位の地番(1番若い地番)にすると、
不動産登記事務取扱手続準則第67条で定められています。

ただし、特別の事情がある場合には、
適宜の地番を定めて差し支えないとされています。

不動産登記事務取扱手続準則第67条

地番は,規則第98条に定めるところによるほか,
次に掲げるところにより定めるものとする。
六 合筆した土地については,合筆前の首位の地番をもってその地番とする。
七 特別の事情があるときは,第3号,第4号及び第6号の規定にかかわらず,適宜の地番を定めて差し支えない。

引用元:Wikibooks.「不動産登記事務取扱手続準則第67条 」. (参照 2021-08-13)

そこで、合筆前の首位の地番とは具体的に何なのか
適宜の地番を定めて良い特別の事情とは何かについて、
合筆登記の申請業務を行っている土地家屋調査士が、
わかりやすく解説いたします。

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この記事を閲覧することで、合筆後の地番について、
原則の場合と、特別の事情がある場合のすべてがわかります。

合筆前の首位の地番とは具体的に何なのか?

合筆後の地番は、原則、合筆前の首位の地番になりますが、
合筆前の首位の地番とは、一般的に、
一番若い地番とも言われています。

では、合筆前の首位の地番(一番若い地番)とは何なのかを、
いくつかの具体例で見てみましょう。

地番が1番と2番を合筆した場合

まず、下図1の2筆の土地(地番が1番と2番)を、
合筆した場合です。

(図1)

この場合、合筆前の首位の地番(一番若い地番)は1番なので、
合筆後の地番は、原則、1番になります。

地番が1番と2番と3番を合筆した場合

次に、下図2の3筆の土地(地番が1番と2番と3番)を、
合筆した場合です。

(図2)

同じく、合筆前の首位の地番(一番若い地番)は1番なので、
合筆後の地番は、原則、1番になります。

枝番のある1番1と1番2と1番3を合筆した場合

次は、枝番のある地番のケースで、
下図3の3筆の土地(地番が1番1と1番2と1番3)を、
合筆した場合です。

(図3)

合筆前の首位の地番(一番若い地番)は1番1なので、
合筆後の地番は、原則、1番1になります。

枝番のある地番と枝番のない地番を合筆した場合

次は、枝番のある地番と枝番のない地番のケースで、
下図4の3筆の土地(地番が1番5と2番と3番1)を、
合筆した場合です。

(図4)

合筆前の首位の地番(一番若い地番)は1番5なので、
合筆後の地番は、原則、1番5になります。

より具体的な例

次は、より具体的な例として、
下図5の3筆の土地(4番と25番3と35番1)を、
合筆した場合です。

(図5)

合筆前の首位の地番(一番若い地番)は4番なので、
合筆後の地番は、原則、4番になります。

最後にもう1つ具体的な例として、
下図6の4筆の土地(10番5と12番1と5番と3番5)を、
合筆した場合です。

(図6)

この場合、合筆前の首位の地番は3番5なので、
合筆後の地番は、原則、3番5になります。

以上は、合筆後の地番について、申請人に特別な事情がなく、
合筆前の首位の地番(一番若い地番)が、
原則どおり、合筆後の地番になる場合です。

なお、合筆後の地番の登記申請書への書き方については、
合筆の登記申請書の様式(書式)と書き方」を参照下さい。

また、合筆後の地番について、申請人に特別な事情があり、
法務局の登記官がその特別な事情を認めれば、
適宜の地番を合筆後の地番にすることも可能です。

適宜の地番を定めて良い特別の事情とは何?

では、特別な事情とは何かですが、よくある具体例として、
合筆前の地番の中に自宅などの住所の地番があり、
合筆後の地番を、住所の地番と同じにしたいという例があります。

合筆後の地番を、自宅などの住所の地番と同じにしないと、
不具合が出るといった場合、通常、特別の事情として認められます。

ただし、最終的な判断は、
書類提出後の登記官の判断となります。

なお、合筆前の地番以外の地番を、
合筆後の地番にすることはできません。

あくまで、合筆前の地番の内から、
住所と同じ地番にしないと困るという特別な事情により、
合筆後の地番にすることができるということです。

たとえば、下図7の場合、原則通りなら、
首位の地番である1番4が合筆後の地番になります。

(図7)

しかし、住所の地番が2番だった場合、
そのことを特別な事情として合筆登記の申請を行い、
法務局の登記官に認めてもらえれば、
合筆後の地番を2番にすることも可能ということです。

また、原則ですと、合筆後の地番が4番になったり、
枝番に4が付く場合(上図7の1番4などの場合)、
縁起が悪いので別の地番にしたいという人もいます。

ただ、縁起が悪いという事情だけでは、
特別の事情と認められない可能性が非常に高いです。

いずれにしても、特別の事情に該当するかどうかは、
法務局の登記官の判断になります。

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特別の事情があるだけで良い?

特別の事情があるだけでなく、
特別の事情を合筆登記の申請書の余白部分に記載して、
法務局の登記官に知らせる必要があります。

または、上申書(じょうしんしょ:事情を申す書)を作成して、
合筆登記の申請書類と一緒に法務局に提出し、
法務局の登記官に知らせる方法でもかまいません。

上申書は、決まった様式は特にありません。

そのため、合筆後の地番を適宜の地番にしたい旨と、
合筆前の首位の地番以外の地番にする特別な事情を、
法務局の登記官が納得するように作成することになります。

もし、土地家屋調査士に代理申請してもらう場合には、
合筆後の地番を適宜の地番にしたい旨と特別の事情を、
土地家屋調査士に事前に伝えておくと良いでしょう。

特別の事情が認められなかったら?

合筆登記の申請書類を法務局に提出後、
特別の事情が認められなかった場合は、
申請書等の補正又は登記申請の取り下げを行うことになります。

登記申請の取り下げの場合、
別途、取下書を法務局に提出しなければなりません。

さらに、所有権の登記のある土地の合筆の場合には、
登録免許税の還付手続きか、
再使用申出を行うことになります。

そして、必要であれば、
合筆登記の申請書類を作り直して、
再度、法務局に登記申請することになるのです。

そのため、特別の事情が認められそうでなければ、
原則どおり合筆前の首位の地番を合筆後の地番にして、
合筆の登記申請をする方が無難と言えます。

なお、合筆後の地番の登記申請書への書き方については、
合筆の登記申請書の様式(書式)と書き方」を参照下さい。

また、合筆後の地積(面積)については、
合筆後の土地の地積(面積)はどうなる?」で、
くわしく解説しています。

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