この記事の監修者
【この記事の監修者】土地家屋調査士:寺岡孝幸の顔写真

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:合筆登記など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来20年間、合筆登記など登記に関する業務を行っています。
土地家屋調査士のプロフィールはこちら

表題部所有者(ひょうだいぶしょゆうしゃ)とは、
土地や建物の登記記録(登記簿)の表題部に、
所有者として記載されている人のことです。

ただし、すべての土地や建物の登記記録の表題部に、
所有者が記載されているわけではありません。

なぜなら、所有権の登記のある土地や建物の登記記録には、
表題部に所有者の記載はなく、
同じ登記記録の権利部(甲区)に所有者が記載されるからです。

ただ、具体例を見ながらの方がわかりやすいと思いますので、
表題部所有者について、登記専門の土地家屋調査士が、
具体的にわかりやすく解説致します。

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この記事を閲覧することで、表題部所有者とは何か、
表題部所有者の確認方法などがすべてわかります。

表題部とは?

表題部とは、1筆の土地又は一個の建物ごとに作成されていて、
登記記録(登記簿)又はその一部のことです。

そして、各土地または各建物の登記記録(登記簿)は、
表題部のみの構成か、
表題部と権利部の2部構成のどちらかで作成されています。

また、不動産登記規則第4条(及び同別表1)では、
土地の登記記録の表題部には、不動産番号、所在、地番、地目、
地積、所有者などを記録すると定められています。

では、具体的に表題部とは何かと言えば、
土地の登記記録(登記簿)の内、
次の記載範囲のことです。

(図1:土地の登記記録の表題部の例)

また、不動産登記規則第4条(及び同別表2)では、
建物の登記記録の表題部には、不動産番号、所在、
家屋番号、種類、構造、床面積、附属建物に関する事項、
所有者などを記録すると定められています。

では、建物の場合、表題部とは何かと言えば、
建物の登記記録(登記簿)の内、
次の記載範囲のことです。

(図2:建物の登記記録の表題部の例)

そして、所有権の登記のある土地や建物の登記記録の場合には、
下図3のように、表題部のすぐ下に権利部が記載されます。

所有権の登記のある土地の表題部の例
(図3:所有権の登記のある土地の表題部の例)

これら所有権の登記のある土地や建物の登記記録の場合、
表題部所有者の記載はないことに注意が必要です。

表題部所有者の確認方法

土地や建物の表題部の所有者を確認するには、
その土地や建物の登記情報、登記事項要約書、
登記事項証明書のいずれか1つを取得する必要があります。

なお、登記事項要約書と登記事項証明書については、
法務局でのみ取得できる書面です。

土地の登記情報、登記事項要約書、
登記事項証明書のいずれか1つを取得できましたら、
下図1のような表題部の記載(所在、地番、地目、地積等)があります。

土地の登記情報の表題部所有者の記載例
(図1:土地の登記情報の表題部所有者の記載例)

そして、表題部に所有者の住所と氏名の記載があり、
その住所と氏名に下線が引かれていなければ、
その人が、表題部所有者ということです。

逆に、表題部の所有者の記載がない場合は、
表題部だけでなく、下図2のような権利部(甲区)の記載もあるはずです。

(図2:表題部と権利部がある登記記録の記載例)

もし、上図2のような権利部(甲区)の記載があれば、
表題部所有者の記載はないということになります。

そして、表題部所有者の記載がなければ、
権利部(甲区)に所有者として記載されている人が、
所有権の登記名義人ということになるのです。

ただし、権利部(甲区)の所有権の登記名義人は、
順位番号、登記の目的(所有権移転など)、持分などから、
現在の所有権の登記名義人を判断する必要があります。

なお、所有権の登記名義人については、
所有権の登記名義人とは?」で、
くわしく解説しています。

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なぜ、登記記録(登記簿)が表題部のみしかない?

なぜ、登記記録(登記簿)が表題部のみしかないのかと言えば、
その不動産(土地や建物)については、過去に、
所有権など権利に関する登記が一切されてこなかったからです。

土地については、売買や相続、担保の設定などで、
一度は、権利に関する登記がされることが多いです。

しかし、山の中の土地や田舎の土地などでは、
売買や相続、担保の設定などを、
明治時代や大正時代から一度もしてこなかった土地もあります。

そのような土地については、明治時代や大正時代から現在まで、
表題部所有者の記載がそのままになっているわけです。

その場合、表題部のみの土地の登記記録(登記簿)になるのです。

そして、そのような土地は、
表題部所有者が何十年も前に亡くなっていて、
所有者が不明な土地になっていることもあります。

なお、建物については、表題部の登記はしていても、
ローンなど担保の設定が必要ない場合、
所有権の登記まではしていない建物もあります。

その場合、表題部のみの建物の登記記録(登記簿)になるのです。

表題部所有者と所有権の登記名義人の違い

表題部所有者も、所有権の登記名義人も、
その土地や建物の所有者であることに違いはありません。

大きな違いは、表題部所有者は、
その土地や建物の所有者が誰なのかを示すことができますが、
第三者に所有者であることを対抗できないことです。

逆に、所有権の登記名義人は、所有権の登記がされた人で、
その土地や建物の所有者が誰なのかを強く示すことができ、
第三者にも所有者であることを対抗できるのです。

所有権の登記名義人については、
所有権の登記名義人とは?」で、
くわしく解説しています。

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